カラオケで録音すると下手に聞こえる。
想像していた声と違う・・・。
スマホで録音したせい?
もっと高い機械で録音すれば変わる?
と、お悩みの方へ「カラオケで録音すると下手に聞こえるのはなぜ?」を解説します。
この記事を読めば、下手に聞こえる原因とその解決方法が分かります。
なぜなら、カラオケ歴13年の私は大学院で音響信号処理を研究しており、確かな知識に基づいて解説するからです。
どうすればいいの?の部分については、私の実体験から解決方法を説明します。
高い機械で録音すれば高音質で録音できるのは間違いありませんが、買うのはこの記事を読んだ後でも遅くないはず。
あなたの歌の上達の手助けにもなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
カラオケで歌声を録音することのメリットについては、以下の記事を参考にされてください。

カラオケで録音すると下手に聞こえるのはなぜ?

カラオケで録音すると下手に聞こえるのは
ずばり「骨伝導」のせいです。
聞きなれない単語が登場して「うん?」と思われたあなた、ちゃんと解説しますのでもう少しだけ読んでみてください。
骨伝導とは
骨伝導とは「人間の声帯から出た音」が骨を伝わって直接「耳の内部に届く」現象のことです。これは人間であれば誰にでも起きることなので安心してくださいね。
音は耳から入るんじゃないの?と思われたあなた、よい疑問です。
話す時、人間の脳は「耳から入る音」と「骨伝導で伝わる音」ミックスされた状態で認識しています。そのため、その認識している声が、普段認識している自分の声になるのです。
自分と他人では聞こえる音が違う
自分が認識している声は「耳から入る音」と「骨伝導で伝わる音」がミックスされた状態だと説明しました。一方で他人は「耳から入る音」のみであなたの声を認識しています。
するとどうなるか、聞こえ方に違いが生じます。
マイクで歌を録音するというのは「耳から入る音」だけの状態です。そのため、録音された自分の歌声を聞くと、普段認識している自分の声とのギャップを感じて「下手」と感じてしまうのです。
聞いてるとゾクゾクするASMRにも関連
マイクで録音することは「耳から入る音」だけの状態と解説しましたが、正確にはイコールではありません。
人間の耳って人によって少しずつ形が違いますよね?
この違いによって、音の成分(周波数特性)が変化します。CDで聴くのとライブで聴くのでは迫力が違うというのは、この音の成分の変化が影響しています(他にもサンプリング周波数、量子化ビット数などの話がありますが割愛します。)。
この違いも含めて録音する方法として、バイノーラル録音という物があります。人間の耳の構造を模したマイクと考えていただければ問題ありません。
このバイノーラル録音では耳の特性を含めて録音できるため、リアルに聞こえます。
耳元でささやかれてゾクゾクする動画など、ASMRはこのバイノーラル録音が利用されます。
本当に骨伝導のせい?確かめる方法は?

カラオケで録音すると歌が下手になる理由が本当に骨伝導のせいなのか?本当にそうなのか確かめたくなりますよね。
簡単に確認する方法があります。
次にご紹介する解決方法にも繋がることなので、ぜひ確かめてください。
一番簡単なのは録音した歌を人に聞いてもらうこと
本当に骨伝導のせいなのか確認する一番簡単な方法は、録音した歌を人に聞いてもらうことです。
「ちゃんと録音できてるか聞いてくれない?」と自分の歌を聞いてもらいましょう。
「声、変じゃない?」と聞いて「え?いつも通りだよ」と返ってくれば、本当に自分の声が録音されたことが分かり、先程説明した骨伝導が理由であることの証明になります。
とはいえ、いきなり下手だと思っている自分の歌を、人に聞いてもらうのはハードルが高いですよね。
そういう時は、歌ではなく普通に話す声を録音して聞いてもらいましょう。特別なことを話す必要はなく「あーあーマイクテスト。本日は晴天なり」でも何でもOKです。
同じ「ちゃんと録音できているか聞いてくれない?」のお願いであっても、歌と声ではグッとハードルが下がると思います。
録音機器が疑わしければ、他の物でも録音
もし人に自分の歌もしくは声を聞いてもらって「いつもの声と違うね」という反応が返ってきた時は、録音機器を確かめましょう。
- スマホであればアプリを変えてみる
- 他のスマホで録音する(古いスマホなど)
- お持ちであればボイスレコーダで録音する
など。
ここでも録音した音は人に聞いてもらいましょう。繰り返しになりますが、普段認識している自分の声は、他人とでは聞こえ方が違うためです。
歌い方のクセも影響
ここまで確認して「カラオケで録音すると下手に聞こえる」感じる場合は、あなたの歌い方のクセが影響しています。
私が自分の歌を聞いたときに思った癖は
- ビブラートのつもりだが声が震えているだけ
- 音をしゃくって取っている
- 変な所で強弱をつけている
歌っている時は、歌うことに集中しているため何もしていないときに比べて、自分の声は聞けていません。
そのため、あなたの中にある理想の歌い方とかけ離れていることを、録音した歌声を聞いて発覚して「下手だ・・・」と感じてしまうわけです。
さらに冒頭で説明した骨伝導とセットですから、ショックが大きくなります。
ちょっと待って「しゃくり」って何?という方は、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

じゃあどうしたら?カラオケで録音して下手に聞こえるのを解決する方法

カラオケで録音して下手に聞こえるのを解決する方法は簡単です。
自分の声ってこうなんだなぁ~と認識することです。
歌に限らず何事も上達するには、今の自分の状態をありのままに認識することから始まります。
まずは自分の声を受け入れる事
私が自分の声を初めて聞いたのは20歳の頃でした。偉そうに「自分の声を受け入れましょう」と書いていますが、当時、私も「自分の歌下手だなぁ」と落ち込んだものです。
だからこそ言えるのですが、自分の声ってこんな感じなんだなぁ~と一度分かれば、自分に期待しすぎることがなくなり、のびのびと歌えるようになります。
まずは自分の声を受け入れることから始めましょう。
大丈夫です。慣れます。慣れたら練習あるのみ!
「下手だなぁ」と感じる理由の骨伝導の方は、言ってしまえば慣れます。
カラオケで録音して歌声をチェックするということを繰り返していく内に、聞こえてくる声のギャップは徐々に感じなくなるからです。
もう一つの理由の「歌い方のクセ」は練習あるのみです。
ただ練習する!ではモチベーションが続かないと思いますので、例えば私が行った練習をご紹介します。
- 声が震えていた個所は真っすぐ声を出す
- しゃくっている部分をピアノの音を聞きながら歌う
- 一定の音量で歌う
腹式呼吸など基礎的なトレーニングは重要です。ただ「歌が下手」という悩みに対して、結果が分かるには半年といったレベルで時間が掛かります。
そのため、自分で分かる癖の部分にたいしてピンポイントに練習した方が、結果が分かりやすいのでモチベーションが維持できます。
もし、基礎トレーニングも並行で出来るのであれば最高です。
あなたの声が好き!と思っている人もいる
歌声の悩みというのは非常にデリケートで、どんなに受け入れようと思っても難しい場合があります。そう言えるのは、私自身が自分の柔らかい声をコンプレックスに感じていた時期があるからです。
そんな私と同じように、自分の歌声が嫌い!と思われているあなたにお伝えしたいことがあります。
あなたの声が好き!と言ってくれる人が必ずいます。
そう言い切れるのは、私が「柔らかい、優しい声だね。すごくいい歌だったよ」と声を掛けてもらったことがあるからです。
理想の歌声に近づくために、練習を重ねることは良いことです。ただ、ありのままのあなたを好きと言ってくれる人もいるはずです。
あなたの声を好きと言ってくれる、その人のために歌声を届けてみませんか?
まとめ

本日は「カラオケで録音すると下手に聞こえるのはなぜ?」というテーマでお送りしてきました。いかがでしたでしょうか。
内容を要約すると
- 理由は骨伝導のせい
- 慣れる
- あなたの声が好きという人もいる
です。
歌のテクニックの部分は練習あるのみですが、違和感を覚えるといった所は骨伝導が原因なので繰り返していくうちに慣れます。
自分の歌を下手と感じるのは普通のことなんだなぁ~と思いつめないようにしていただければと思います。
この記事の内容をあなたのカラオケライフにお役立ていただければ幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。